メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

走る→滑る→見事に転ぶ

キン肉マン…ではなくて、息子の弾く発表課題曲の話です。

どうしてゆっくり練習できないんだろう?
先生に注意されて1日だけはゆっくり練習できたのだが、今日また元に戻ってしまった。

メトロノーム
⇒そもそも合わせて弾けない

・私が脇でメロディーを歌う
⇒全然合わそうとしない

・私が同時に低音部でメロディを弾く
⇒これも全然合わそうとしないし…


わかった!原因はこれだ!
 ×自分の弾いてる音を聞かない
 〇親のいう事を聞かない

子供にピアノを教えるのは難しい(T-T)

 

スーパーヒーロー
どころか
スーパー疲労した…。

サティ:サラバンド3番

教会音楽からの響きと対位法技術の分離(8/9)

本当はここに別の作曲家の曲がくる予定であった。

しかし、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」を練習中、指定よりずっと遅いテンポと響きに満足している自分を発見して何故だろうと自問自答したところ、私の中でこのサティのサラバンドと"陸続き"だったのだ。

サティのピアノ曲を初めて体系的に聴いたのは、やはり大学生の時だった。
最高傑作は疑いもなく晩年のノクターンだが、初期作品中ではこのサラバンド3番が例外的に気に入った。
そしてこの曲を、右ペダルを踏みっぱなしで、それでも音の濁りが気にならなくなるくらい極端に遅いテンポで弾いてみるというアイデアに取りつかれた。
なぜこんな事を考えたのか思い出せないのだが、ひょっとすると当時、名ピアニストの表舞台に登場してきたアファナシエフの影響を受けたのかもしれない。

そんなわけで、20年近くの時を経て、当時の企てを世間様に問うてみようと思い立った。

当時はカワイのアップライトを弾いていたのだが、自分の筆跡で楽譜に四分音符=23と書いてある。今弾いているのはヤマハのC5なので、残響がより長く、四分音符=20まで下げた。右ペダルは踏みっぱなしで、繰り返しを省略して弾いた。

これは作曲者がこの曲を書いたときの意図から全く外れた解釈で、ここまで恣意的な演奏を自分に許すのは、唯一これだけだと思う。
私見では、この解釈は3つのサラバンドのうちでも3番だけが耐えられる。

サティはたくさんの既成概念の破壊を試みたが、そのうちのひとつは音楽の時間発展の否定である(これは中期以降の作品では、より具体的に小節線の放棄というかたちであらわれる)。私の中でこのサラバンド3番は、ドビュッシーを通り越えて、ケージの書いた調性作品「ある風景の中で」「夢」と繋がっている。

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「ステンドグラスと枯山水

映像を見ているのが耐えられないと感じ、画像+音声ファイルでアップロードすることにした。
直感的に、枯山水をモチーフにしたステンドグラスの画像があったらこの演奏とそっくりだと感じたのだが、さすがにそんなのはなかったので、フリー画像を組み合わせてステンドグラスと枯山水の組み合わせを作ってみた。

ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女

教会音楽からの響きと対位法技術の分離(7/9)

ドビュッシーピアノ曲といえば、知名度ベスト3は「月の光」「アラベスク1番」、そしてこの「亜麻色の髪の乙女」だろうか。
前の2つは昔から大好きなのだが、この「亜麻色の髪の乙女」は嫌いだった。
同じ前奏曲の中でも、「ヒースの茂る荒野」の方がずっと気に入っていた。

そんな印象が変わったのは、初めて自分で音を出して弾いてみた時だった。
表題とは裏腹に、神聖な響きに満ちた作品だと感じた。

今回、録音しようと思って改めて前奏曲集の楽譜を確認したところ、「亜麻色の髪の乙女」も「ヒースの茂る荒野」もcalme ♩=66で、一対の作品になっているように思える。

そこでこれを「ヒースの茂る荒野」と同等の音楽的重みで弾こうとすると、どうしてもテンポをあげる事ができず、大変に遅い演奏になってしまった。

実は本番録音の1週間前に試しどりしたテイクがあって、いくつもの弾き直しを含んでいるのだが、細部の音楽の感じ方でこれを超えるものが録れなかった(それにこの試しどりテイクは、たまたま置いたスマホの位置が絶妙で、音が良い)。
そこで、このテイクを合計3個所つぎはぎして張り合わせ、何とか通して聴けるように編集したものをAlternate Takeとして加えてみた。
(映像があるとつなぎ目がより不自然になるので、音声ファイルのみにした)。

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バックハウスの1955年10月録音のモーツァルト:ソナタ集

以前の記事で書いた(http://taikichan.hatenablog.com/entry/2018/01/05/230028)輸入盤をようやく入手して聴く事ができたのだが、見事にステレオ録音であった。

バックハウスの場合は、例えばギーゼキングと比べると、その芸風の違いから録音の古さは聴いた印象にそれ程悪影響を及ぼさないのだが、それでもより良い復刻で聴いてみたいと思う。モーツァルトソナタの中でも奏者と一番相性が良いと思われるK.475がステレオで聴けるのは嬉しい。

国内盤でモノラルで復刻されている残りの録音もステレオソースが存在するのではないかと思い、ざっと纏めておく。

(1955年10月録音)

ソナタK.331:国内盤・輸入盤ともステレオで復刻されている

ソナタK.475:国内盤がモノラル、輸入盤がステレオ

・ロンドK.511:国内盤がモノラル、輸入盤がステレオ(1961年10月の別のステレオ録音がある)

ソナタK.330:国内盤がモノラル、輸入盤では復刻が見つからない(これも1961年10月の別のステレオ録音がある)

・幻想曲K.457:国内盤がモノラル、輸入盤では復刻が見つからない

テレマン:小フーガ TWV.30:1

教会音楽からの響きと対位法技術の分離(6/9)

教会音楽ではないけれど内的な教会を持った"小さなフーガ"インベンションと、同じく教会音楽ではなく、内的な教会を持たないテレマンの小フーガを対比してみたら面白くないだろうか?というアイデアが、この「教会音楽からの…」シリーズの骨子になった。

プロテスタント的な信仰心の替わりに、あるのは"雅"。
テレマンが書いたのは深刻な音楽ではなくて、大人の遊び心というか愉悦に満ちたものだと思う。

(そしてこれは、深刻な音楽が好きな私にとって、表現が難しいテーマである)。

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ピアノ弾き殺すにゃ刃物は要らぬ、ハ音記号を振れば良い!?

自慢じゃないが、ハ音記号が読めない。
私と同様、子供の頃にピアノしかやらなかった方は、ト音記号ヘ音記号のようにはスラスラと読めないはずだ。

初めてこれに出会ったのは、20歳の頃。チェロを少々かじっていて出くわし、面食らった。
しかもハ音記号には2種類有るらしい。とても覚えられぬ…。

鍵盤音楽の楽譜でも、バッハのオルガン・コラールをピアノで弾こうとすると出てくるのだが、普通のピアノ曲しか弾かない人生を送っていれば遭遇せずに済む筈であった。

しかし、今日譜読みをしていてついに出て来たのだ!
バッハの「音楽の捧げもの」のリチェルカーレⅠ

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ハ音記号が出た時は、こうやって切り抜ける。

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子供の頃、赤いバイエルをやっていた時、音符に色を塗って覚えた。ドは赤、レは黄色、ミは緑…という風に。
この感覚が今も残っていて、色の塗ってある音符を見ると、即座に音程を認識できる。

 

余談だが、フレスコバルディのトッカータ第1集の初版を見たら素晴らしいアイデアがあった。

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五線譜の「五線」を放棄して、ヘ音記号とハ音記号を併記してある。

これなら困らない!

 

バッハ:インベンション1番

教会音楽からの響きと対位法技術の分離(5/9)

実はこの「教会音楽からの~」シリーズは、このインベンション1番の演奏を残しておきたいという気持ちから始まった。

ネットで、この曲集をレッスンでやってお経のようだったという体験談に出会い、いちバッハ好きとして、どうしてもこれを弾いてみたかった。

インベンションは難しい。

バッハの鍵盤独奏作品の中で私にとって一番難しいのはイタリア協奏曲の両端楽章で、次がこのインベンションである。

 この曲集との最初の出会いは、幸か不幸か子供の頃のレッスンでは一切やらず、高校生くらいの時にCDを買ってきて聴く方から入った。
そして当時の私には、平均律やゴールトベルク変奏曲、各組曲と比較して音楽的内容が数段劣るように映った。

ところで当時の私には、バッハの中でいくつか"理解不能な"作品があった。
平均律やパルティータに紛れ込んだ、調性音楽の枠をはみ出したような幾つかの曲、「音楽の捧げもの」の2つのリチェルカーレ、そして一番難解であったのがインベンションと同じ2声で書かれた「4つのデュエット」BVW.802-805。特にこのデュエットは、リヒテル、ニコラーエワ、グリンベルクのような大家の演奏で聴いても全く馴染めなかった。

それからずいぶん経って、多少は知るところが増えた。
このデュエットはBWV番号ではクラヴィーア作品に分類されているが"ドイツ・オルガン・ミサ"に含まれているもので、オルガンでの演奏を想定して書かれている可能性が高く、ヴァルヒャによる新しいオルガン作品全集の録音中に「フーガの技法」ともどもオルガンによる演奏が入っていた。

私はこのオルガンによる演奏を聴いて、仰天してしまった。
作品の印象が、ピアノで聴いたときと全く異なるのである。

この体験後、同じく2声のインベンションをオルガンで弾いたら果たしてどんな感じになるだろうと録音を探して、ベルナルド・ラガーセというオルガニストの演奏するCDを入手した。これが、今に至るまで最も好きなインベンションの演奏である。


そんなわけで、種明かしをすると、このインベンション1番の演奏は、オルガンを模倣するところから入っている。

もし試験でこんな風に弾こうものなら、きっと先生方をかんかんに怒らすに違いない…。

そこで、多少融通をきかせて(?)テンポを一般的なピアノ/チェンバロ演奏のものに近づけた録音をAlternate Takeとして付け加えてみた。

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秘蔵コレクションその6「神経衰弱?」

コンスタンチン・リフシッツの演奏が好きで、CDを結構持っているのだが、

 上:SACRAMBOWレーベルの東京ライヴ1994

 下:DENONレーベルのショパン24の前奏曲ほか

 (※どちらも、ちゃんとした日本のCDレーベルで別会社)

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ジャケット写真は…

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どっちがどっちをパクったのか知らんが、よくこれで問題にならなかったなぁ…(^^;

バッハ:小前奏曲ハ長調 BWV.939

教会音楽からの響きと対位法技術の分離(4/9)

12の小プレリュード集の第2番。

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秘蔵コレクションその5「青柳先生のフランス語講座」

高校生の頃にお小遣いをはたいて買った"サンソン・フランソワの芸術"シリーズ。

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ライナーノーツの書き出しは…

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「ピアノを弾くーなんて恐ろしい考えだ!そう、ピアノで以て弾く、のだ!」

(フランソワの言葉)

これを読んだ当時の私は、フランソワって、なんて芸術的で気難しそうな言い回しをするんだろう…と感嘆しましたよ、ええ。

 

それから10年後…。

青柳いづみこさんの「ピアニストが見たピアニスト」(白水社)を読んだところ…

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正解は…

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「ピアノを弾くーなんという恐ろしいことだろう!自分はピアノで遊びたい!」

でした。

フランス語って難しいね(^^;

…で済む問題か!?

秘蔵コレクションその4「レア盤!?」

学生だった頃、クラシックのCDは今みたいに値崩れして箱モノが叩き売られている状況ではなく…。

ルプーのシューベルトを1枚ずつ買い集めた。

さて、一見どこにでもありそうな、即興曲集のCD。

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ところが…

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Deccaのレーベルマークの赤と青の色が逆。持ってる全Deccaの中で唯一これだけが…。

バッハ:"いと尊きイエスよ、われらはここに集いて"BWV.706

教会音楽からの響きと対位法技術の分離(3/9)

昨年9月、いちばん最初にアップロードした動画群の中にBWV.706-aliso mode(第2バージョン)があったが、その第1バージョン。

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秘蔵コレクションその3「永遠の…」

シューベルトソナタ集。Universal社ライセンスと思しき音友の原典版

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左手だけ練習しようものなら…

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指番号:0!

秘蔵コレクションその2「コテコテのギャグ!?」

ああ、写真投稿できるって素晴らしい!

「クラシックCD総カタログ」に続く、私の秘蔵コレクションその2

大学時代の愛読書のひとつ、春秋社の「ピアノ・レパートリー辞典」。

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しかも…

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"ヘレン版"になってる…。

子供にピアノを習わせると、どのようにして勉強に役立つか? →その後

いつも楽しみに読ませてもらっているkazさんのblogに、"人は死ぬ時に、自分がやり残したことを後悔する"という内容の話が書いてあった。

私にとって"やり残し"は何だろう??

今のところ、欲しいピアノ関係のCDは余念なく収集しているし、
ピアノも満足に弾けている。

まあ強いて言うなら、

誰しも大人になって思う事かも知れないが、
子供の頃、もっと勉強すればよかった…。
あの頃、クラシック・ピアノなんかにはまらずに、今この楽器に向けているような情熱やひた向きな努力を勉強に向けていたら、

きっと、もっとマシな大学に入って、
もっとマシな会社に入って、

そして今頃は、

「ああ、子供の頃、勉強ばかりしてないで、もっとピアノでもやってれば良かった」

と後悔しているかも知れない!?


…などと考えていたら、
最近教育ママモード気味の妻が、あるものを持ってきた。

「子供が勉強している間、あなたはこれをやっといて!」

「なにこれ?」

「〇〇中学の入試の過去問。まずは親が全部解いてみて難易度を体感するんだってさ!」

…ぬぁにおぅ(怒)


「ぼくは、勉強よりもピアノの方が好きなんだよ!」

…とは、口が裂けても言えなかった。

 

ちなみに

↓高校の時の愛読書

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