メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

ト調のメヌエット

最近、動画を10曲録った記念に、自分へのご褒美として(?)譜読み用の廉価版キーボードを購入した。夜にこれをリビングのテーブルの上に出して、耳と指の関係がおかしくならないように音色をチェンバロか教会オルガンにして、最小の音量で鳴らして譜読みを…

吉田秀和さんの『フルトヴェングラー』(1)

心が和んだエピソード。 最初の章に出てくる話で、作曲家の別宮貞雄さんと一緒にフルトヴェングラーの振る『運命』を聴きに行った吉田さんは、会場で作家の大岡昇平さんとばったり会う。 演奏後に3人で食事をとりながら音楽の事をしゃべるのだが、吉田さんと…

ブルグミュラーの思い出

子供の頃に受けていたレッスンでは、25の練習曲を15曲くらいしかやらなかった。 この曲集と再会したのは、たぶん大学生の頃だったと思う。興味の対象がピアニストから作曲家に戻っていた時期があって、カタログを片手に色々な作曲家のピアノ曲をCDで買って聴…

ケンプの戦時中のベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全録音(APR 7403)

この復刻盤がもたらした最大の恩恵は、これまで漠然と"ケンプの戦前の演奏スタイル"と捉えていたものが、いくつかのソナタで30年代までの演奏と40年代の演奏を聴き比べられるようになった事だ。どちらの年代のケンプにも共通するのは、当時のドイツの指揮者…

ケンプの未完のベートーヴェン:ソナタ全集(1回目録音)

ケンプのベートーヴェン:ピアノソナタ全集では、DGへの2度の全集に先立って、戦前から戦中にかけて全集録音が試みられたが未完に終わったことが、良く知られている。この未完の全集の復刻は、私がまだ学生だった頃にフランスのDanteレーベルから出た、ソナ…

古楽オタクがキーボードを弾くと・・・たぶんこうなる

14世紀イタリアの作曲家ランディーニ(Francesco Landini)の代表曲「春は来たりぬ」。 もとは声楽曲だが、撥弦楽器の音色で弾いてみると…。 youtu.be

クラシック・オタクがキーボードでバッハを弾くと・・・たぶんこうなる

少し前に譜読み用に購入した61鍵キーボードで夜練習をしていたところ、つい思いついて、勢いで録音してしまった。 ああ、平日の深夜にこんな事してる場合じゃないのに…。 最後の方の和音を一か所間違えた。バッハさん、すみません。。。 www.youtube.com

アルハンブラ宮殿のギーゼキング(rtve Musica)

新たなライヴ録音が発掘されると、既出盤と曲目がかぶっていようが、入手を検討するために必ず試聴チェックする歴史的ピアニストが二人いる。ひとりはスタジオ録音との落差が大きすぎのルービンシュタイン。もうひとりは、少しでも良い音質で聴いてみたいギ…

ブルグミュラー:25の練習曲~13番「なぐさめ」

2部形式で書かれているうちの後半部を、前半部と同じだけの音楽的重さで弾くことができない、私としては秘蔵の名曲。 昔使っていた全音標準版とその元ネタと思しきPeters版では繰り返し記号を使わずに2ページにわたって書かれているが、schirmer版では繰り返…

ピアノ音楽の源流探索2017~A.ガブリエリ

A.ガブリエリ(1532-1585) ルネッサンス期のヴェネツィア楽派の作曲家で、ジョヴァンニ・ガブリエリの叔父にあたる。鍵盤音楽の作曲家としては、ジョヴァンニよりも多くの作品が体系的に残されている。 このなかでピアノで弾くのに最も適している作品は、やは…

和文英訳とピアノと孫子

仕事柄、海外の技術者と英文メールでやり取りをすることが、たまにある。 英語はせいぜい学校で習った程度なので、思った事を直接英文で書き出すことができず、結局Google等の自動翻訳を頼ることが多い。 先ずは書きたい内容を日本語で翻訳に入れてみて、出…

ショパンの練習曲op.10-1をめぐる人生の3つの断片(3)

右手の指の不調が治ってきて、ピアノを楽に弾く奏法の知見を深めた私は、ようやくこの作品を、以前よりもましに弾けるようになった。 そこで私は、現在の自分が、この立ちはだかる壁をどれくらい登ったか、過去の演奏がどれくらいひどかったかを、この機会に…

ショパンの練習曲op.10-1をめぐる人生の3つの断片(2)

息子を初めてピアノの先生の所に連れて行ったとき、こんな事を話した。 "私は今でもピアノを弾いているが、子供の頃に十分なメカニックを身につける事ができなかったので、上手に弾く事ができない。息子には、音大に行かせたいとまでは思わないが、入れるく…

ショパンの練習曲op.10-1をめぐる人生の3つの断片(1)

初めて最後まで譜読みしたのは、そう、まだ20歳代半ばの頃だ。 当時、私はこの曲を毎日2時間練習したが、メカニック上の問題を抱えた右手では、どんなに頑張ってもクロイツァー版のテンポ(四分音符=104だったと思う)でボロボロになりながら弾き終えるのが…

幻のアップロード計画

目標だった10曲分の動画をついに録り終えた。苦労も大きかったのだが、楽しくて、すっかりはまってしまった。 そこで早速次のアップロード計画を練って、今度は少し脱線して、自分へのご褒美として、完全に趣味路線で行こうと思っていた。 その内容は、志を…

ピアノ教室の思い出

私が生まれた1970年代は、世に言うピアノブームの時代であった。音楽は好きだがピアノは一切弾いたことのない両親の意向で、私は幼稚園に付属のピアノ教室でレッスンを受け始めた。この教室のレッスン環境は、今思い返せばかなり劣悪だ(私の両親は、ピアノ…

クーラウ:ソナチネop.55-1~1楽章

"様式感"をテーマに5曲選曲したが、最後はクーラウのソナチネをもう一曲。 大変に苦戦した。 youtu.be

大人のアマチュアがピアノの先生に望むこと~私の場合

おもしろそうなテーマだったので、便乗して少し書いてみたい。 ピアノの先生方のブログの中でも、奏法に関して相当切り込んだ信念を持たれている数人の方のものを、日ごろから拝読している。 その中のひとつにピアニスト活動とピアノの先生を並行してやられ…

ブル:ブルンスウィック公爵夫人のトイ

ルネッサンス期のイギリスの鍵盤音楽からブルの小品を。 トイ(Toy)というのはおもちゃではなくて、当時の舞曲の一種らしい。 youtu.be

電子ピアノの思い出

調べ物をしていたところ、「電子ピアノで弾くとアコースティックピアノよりも上手くきこえる」という記事に出くわし、思わず吹き出してしまった。本当だろうか!?個人的には、あの音はどうも嘘くさくて苦手だ(愛好者の皆さまスミマセン...)。 そんな私も…

B.マルチェロ:ソナタ ト長調~1楽章

イタリア・バロックの鬼才B.マルチェロの小さなト長調ソナタの1楽章。 楽譜が手書き譜しかないうえにハ音記号が出てきて読めなかったりと、苦労した…。 youtu.be

クーラウ:ソナチネop.20-1 1楽章(再録音)

今日は仕事が午前中休みだったのを利用して再収録をした。 ようやく最低水準を超えたものが録れた感じだ(前の2つの動画は消去します)。 ピアノ教本からの懐かしの1曲という事でさりげなく選曲したのだが、たいへん勉強になった。 一番難しかったのは第2主…

フレスコバルディ:ガイヤルド2番(トッカータ第2集より)

現在のクラシック・ピアノ界が忘却している最大の作曲家。 youtu.be

グールドのモーツァルト:ソナタ全集(CBS=SONY)

久々にグールドのピアノでK.545を聴いた。私も馬齢を重ねたせいか、グールドが志向していたものが、何となくわかるような気がする。1楽章を普通に読むと、まずピアノ協奏曲27番K.595の1楽章の第1主題を連想するような第1主題がピアノ(強弱記号ではなくて楽…

ソナチネ・アルバム問題

昨日は私自身の運指能力の低さに自己嫌悪に陥っていたのだが、録ったものを今朝あらためて聴き直し、ちゃんと弾けていないだけで、悪くないと思うようになった。 ところで、全音版を見ながら弾いたものでは、スラーをいくつか取っ払ってしまっているのだが、…

クーラウ:ソナチネop.20-1~1楽章

最初の5曲にブルグミュラーを入れたので、次の5曲の中にはソナチネを入れようと思って、先ずクーラウのop.20-1の1楽章を選んだ。 手元に全音普及版が有るのだが、校訂者による音楽記号のうち納得いかないものを消してしまおうと思い、IMSLPにあった原典版か…

次の5曲

半月前、自分の演奏したものをyoutubeへアップロードする事を思い立った時点では、1週間に1曲くらいのペースで、とりあえず5曲上げてみようと思っていたのだが、やってみるとこれが大変に楽しくて、あっという間に2週間で終えてしまった。 自分の弾いたもの…

パデレフスキとチャップリン

毎日更新チェックする巡回ルートに入っているブログで、書き手のkazさんがパデレフスキの事を書かれていたのを読んで、ふと思い出した。(愛国者として、ピアニストとして・・・ - ピアノのある生活、ピアノと歩む人生) それは映画『独裁者』のワンシーン。…

バッハ:"いと尊きイエスよ、われらはここに集いて"BWV.706-2(第2バージョン)

実は昨日に小前奏曲と一緒に録画したのだが、いかにも付け焼刃な気がして、聴き返していて遅くなってしまった。 バッハのオルガン・コラールのうち、手鍵盤用に書かれたものはピアノで演奏するに値するのではないか?と前々から思っていた。 ピアノ演奏によ…

バッハ:小前奏曲ハ長調 BWV.924

ロマンティックなバッハ。 昔習っていた先生に、古楽の時代考証の成果を踏まえた最新の様式で弾くように修正されたのだが、結局この弾き方に戻ってしまった。 こういう演奏を持っていったら、ほとんどのピアノの先生は、怒るだろうなぁ(苦笑)。 youtu.be