メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

ルドルフ・ゼルキンのライヴ(FKM-1002/3)

実家に帰った際に持ってきた一連のCDの中のひとつだが、久しぶりに聴き返して、タッチの美しさに驚いた。

FKMは、この手の裏青レーベルの中では音質が良いようで(しかし演奏は外れの場合があった)、CD2枚目のショパン24の前奏曲など、同時期のCBSスタジオ録音よりもずっと美しく録れている。

私が10代の頃は、ゼルキンは、指の回っていない箇所が気になって仕方がないピアニストの一人であり、また、CDの紹介本で「美音の演奏家」と書かれていたのが一切理解できなかった。

その後、このピアノという楽器について多少知るようになり、最晩年(1987年)のベートーヴェン:後期ソナタのライヴ映像を見て、完成された奏法のお手本のようなピアノ演奏に圧倒された。こういう弾き方をするピアニストだから、やはり音は綺麗なんだろうと(それほど綺麗と感じない)CBSの録音を聴きながら薄々思っていたところに、このCDと再会した。

これを機に、彼のライヴ録音を少し漁ってみたいと思った。