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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

リヒテルのベートーヴェン:ソナタop.14-1,22,26,90(Philips_1960年代のライヴ録音)

リヒテルの演奏するop.14-1,22を本盤で初めて聴いたのだが、素晴らしかった。

リヒテルは伝記で自身がドイツ人であることを繰り返し主張しているが、ベートーヴェンの、それほど大きくないソナタを演奏するとき、内面の高さが完全にドイツ人だ。しかも、独墺系本流のピアニスト達と決定的に異なるのは、安易にロマンティシズムに身を任せるのを断固として許さない批判的精神をも併せ持っているところで、この飛翔しないロマンティシズムは、大戦後に自分たちの文化基盤を徹底的に検証した現代思想家群と深部で共鳴していると思う。

op.26と90は音質がかなり落ち、残念だった。