メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

グードのベートーヴェン:3大ソナタ

このピアニストに関してショパンとバッハのパルティータ集から聴き始めた私は、次に買ったベートーヴェンの後期ソナタ集を聴いて、線が細く、スケールが小さく録られていることにかなりの違和感を持っていた。

だが、この3大ソナタを聴いて大いに考えを改めた。

このソナタ集はゼルキン様式(!?)の正統な後継者と呼ぶにふさわしい出来栄え。

(1) 室内楽をも得意とする奏者であり、線の細い清潔なタッチによって等身大な「室内楽」の音響空間で演奏している。

(2) そのため、ベートーヴェンソナタを(ブルックナーのご先祖様のような)交響的な巨大さを持たせようとしたときにしばしば失う、ある種の"brioさ"を獲得している。

(3) そのために失われる恐れがある「背景にある壮大な音楽」を「背景から聞こえる壮大なペダルノイズ」で代用することに成功している(笑)。

ソナタ全集を聴いてみたくなった。