メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

コロリオフのベートーヴェン:ディアベリ変奏曲他(hr)

コロリオフのベートーヴェンをもっと聴きたくなって購入したのだが、このディアベリ変奏曲は、後期ソナタ群ほどの独自の世界を形成していない。これは強奏が豊かに録音されているせいもあると思われ、ハンマークラヴィーアがこの録音で残されていたら、異なった印象を受けたに違いない。

むしろこの盤で興味深かったのは、ヘンデルの演奏が続けて録音されている事だった。

これまでこのピアニストの一連のバッハ録音を聴いて、大きめの音で弾いた時にタッチに付随するノイズがどうしても気になっていて、絶対音量が結構大きいのではないかと思っていた。実際このヘンデルを聴いていると、やはりいくつかの変奏では大きめの音で、ノンペダルではっきりと弾かれており、馴染みのコロリオフの音が戻ってきた感じだ。チェンバロで演奏した場合のアーティキュレーションや様式感を熟考したうえでの音量設定だと思うのだが、私はひと回り小さく弾いたほうが好きだ。