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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

アスケナーゼの放送録音集(melo)

驚愕の1枚。アスケナーゼはDGのBOXセット(1950年代のショパン録音全集と銘打ってある)で聴いており、泰然としたテンポ設定による気品と、どことなくたどたどしい'ぽきぽきした'タッチによる、いかにもドイツで最も受けそうな趣味のショパンという印象を持っていた。しかし、この残響豊かに録られた放送録音を聴いて、特にタッチの印象が一変してしまった。というより、実は別のピアニストの録音なのではないかと疑い、DG盤にも入っていたモーツァルトのK.570を聴き比べたところ、装飾音の弾き方の癖が同じのため、同一奏者の録音と納得した次第。我々が録音で聴く「ピアニスト」は、当の本人と録音チームによる'合作'なのだと、改めて思い知らされた。

この盤のアスケナーゼの調子は非常に良い。melo classicは復刻音源の選定を識者が担当していると思われ、これまで数枚聴いたのだが、当たり率はBBC legendをはるかに上回る。