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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

キートンの大列車追跡(The General)

電車好きの息子が、今日は機関車のDVDが見たいという。息子用のDVDコレクションには電車のものしかないため、仕方なく秘蔵の「キートンの大列車追跡」を出す。

この映画もキートンの他の映画と同様のドタバタコメディを、今度は機関車相手に繰り広げているような内容なのだが、それは息子にはまだ難しく、純粋に機関車が走っているDVDとして楽しんだようだ。

私が一番好きなシーンは、疾走する石炭車のうえで、石炭を運ぼうと頑張っているキートンの背景で、自軍が大きく撤退して敵軍が進撃し、あっという間に敵陣を走っている状況になってしまうのに一切気づかずに仕事を続けている場面。ブラックユーモアのセンスに唸らされる(目先の仕事に追われているうち置かれている状況そのものが一変してしまう/置かれている状況が一変しているのに全く気がつかずに目先の仕事をやり続けてしまうことが、良くある)。

チャップリンのトーキーのBGMにオケが合うように、繊細なキートンのBGMにはピアノ・トリオが合うと思う。私が持っている彼の映画の中にはBGMの貧弱なものがあって(ピアノ1本の、ラグタイム風のもの)、フィルムの魅力を半減している。どこかの会社がBGMを一新して復刻しないだろうか…。