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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

セレブリャコフのショパン:葬送ソナタ他(MANCHESTER)

今日聴いたCD

今年最大の発見は、このパーヴェル・セレブリャコフを初めて聴けた事であった。1枚目は、ベートーヴェンの熱情、ショパンの葬送ソナタラフマニノフの2番ソナタというカップリング。見るからに強面のジャケット写真から、元祖の重戦車ピアニストではないかと勝手に想像していたのだが、実際には芸術家肌の奏者であり、次の世代のソ連のピアニストでいうとスタニスラフ・ネイガウスに近い。

ソ連の重戦車ピアニスト群との決定的な違いは、先ず(豊かに鳴り響く強音を手中にしていて要所要所で聴かせるのだが)曲を形作る基準になっているのはずっと小さくて良く通る音であり、鍵盤の底までしっかり打鍵して基音を聴かせるピアニズムではない。次に、個々の楽句の処理にかなり個人的な感じ方を持ち込んでいて、ところによっては表現主義的ともとれるほどの深い造形を示す。

(続く)