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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

セレブリャコフのラフマニノフ:小品集(MANCHESTER)

(続き)

2枚目は、op.3の幻想小曲集、楽興の時、前奏曲集と音の絵から各数曲が、録音状態もまちまちに寄せ集められたラフマニノフ集。私がこの奏者の再現芸術家としての力量を決定的に確信したのは、こちらのCDであった。ヴィルトゥオーゾ作品での闊達さもさることながらop.3-1やop.23-4と10、32-5などの曲を弾いた時に、身を切るような美音によって紡ぎ出される崇高といえるほどの抒情美がたとえようもない。

私が聴いたのは現在この2枚なのだが(現在入手できるのは、あと協奏曲が少々ある程度)、おそらく"伝説の巨匠"として聴かれてしかるべき奏者であり、私見では同世代のソ連でいうとリヒテル、ギレリス、グリンベルク、フリエール、そしておそらくザークと同列で語られるべきピアニストと思われる。残された録音の復刻が待たれる。