メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

モレイラ=リマのヴィラ=ロボス:シクロ・ブラジリエロ他(AZUR MUSIC)

ここ数日、ヴィラ=ロボスのシクロ・ブラジリエロを聴き直している。このピアノ曲は、最高傑作のブラジル風バッハ4番と比較すると楽想の展開力が弱く、あたかもカデンツァを横につなげたような造りになっている。

モレイラ=リマのこの一連のヴィラ=ロボス録音は、おそらくスタジオのボロピアノであえて録音したもの(?)だが、ピアノの調整不良が逆に味わいになるような、男性的な演奏をしている。このシクロ・ブラジリエロも他の作品と同様に遅めのテンポで弾かれていて、奏者の思い入れによる楽想の意味付けが見事で、曲の冗漫な展開を補って聴かせているところがある。