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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

ラローチャのラヴェル:高貴で感傷的なワルツ、ソナチネ(RCA)

ラローチャの録音を整理していて、そういえば晩年RCAラヴェルの独奏曲をCD半分ほど入れていたのを思いだした。
たまたま図書館にあったため聴いてみたのだか、思いのほか素晴らしく、私の聴いたかぎりでは非スペイン物の録音のなかで最高傑作だと思った。

収録曲のうちワルツに関しては1969年のCBS録音があり、弾きすぎているという印象を持っていたのだが、この新盤では作品との距離感がまるで別人のように見事で、ラヴェルの音楽のもつ繊細さと子供の世界への憧憬のようなものが、余分なものを一切伴わずに必要十分な形で表出されている。

この演奏を聴いて確信したのだが、ラヴェルは、バッハやショパンと同様に、作品のほとんどをたったひとつの汎人類的なテーマに向けて書いている。
バッハは私が言うまでもなく「偉大なもの」に向けて書いている。ショパンは「死」にまつわる諸相を書いている。ラヴェルのテーマは何だろう??