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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

ラヴェルの音楽の通奏低音

ラ・ヴァルスのピアノ独奏版とオーケストラ版を聴き比べしていて、漠然と浮かんだ。

❝かつては存在していた。今はもうない。❞

思い浮かんだ後に、これは「死」の類似概念で、(ショパンと同様に)すべての作品で、ある種の死にまつわる何かを書いたのではないかと考えたのだが、しっくりこなかった。ラヴェルが明らかに死にまつわるものを書いているのは「クープランの墓」と「左手のためのピアノ協奏曲」だけで、残りの作品にそれを当てはめるのは無理があると感じた。

もうひとつ、死にまつわる名前を関した作品があるのを思い出した。

「亡き王女のためのパヴァーヌ

しかしwikipediaで作品の詳細を調べてみると、この邦題は原題のニュアンスを伝えるのに正確ではなく、厳密に訳すとこうなるという。

「いにしえの王女のためのパヴァーヌ

この話を読んだ時に確信した。

ラヴェルの作品は根底において、❝かつては存在していた。今はもうない。❞何かに向けて書かれている。