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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

ピアノを弾く手(酒井直隆)

読書

内容の約半分が近代奏法への発展について書かれており、私はこの本で初めてトバイアス・マティ(イギリスのAPRレーベルから往年の名ピアニストの録音がマティ門下シリーズとして復刻されたのが記憶に新しい)の教えに触れることができた。
一番感動的であったのは、奏法をおおきく3種類、即ち指の動きのみによる旧奏法、手首の動きまでを打鍵に利用する奏法、そしていわゆる重量奏法に分類したうえで、(酒井さんによれば)特定の奏法のみにこだわるのではなく、相対する音楽に合わせて様々な奏法をとるべきであると言い切っている点である。
この言葉のみによってもマティという人が素晴らしいピアノ研究者であった事が感じられる。
いつか著作を読んでみたいものだ。