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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

ロシア・ピアニズムの系譜(佐藤泰一)

懐かしい!大学の時に借りて読んだこの本と、図書館で再開した(1992年の初版となっており、今読むといささか古さを感じさせる)。

著者の佐藤泰一さんは、惜しくも2009年に亡くなられたが、アマチュアのピアノ愛好家(本職は技術者)で、ショパン・オタク、スクリャービン・オタクにしてロシアのピアニスト・オタクという、私にとって尊敬すべき大先達である。

したがって、この本は音楽評論家が書いたピアニスト評論集ではなく、言うなればピアニスト大図鑑だ。個々の奏者の芸風に関する記載は少ないのだが、その分取り上げられているピアニストの数が半端ではなく、現在の私が読んでもなお底知れぬマニアぶりである(一例をあげるなら、"ブーニン"が3人取り上げられていて、ヴィクトル・ブーニン、ウラジミール・ブーニンスタニスラフ・ブーニン…最後の人しか聴いたことがない!)。

今回再読して得た新たな発見は、まず、近頃ライヴCDが発売されたアレクサンダー・ボロフスキーの事が結構書かれていて、購入して聴いてみたいと思った。

また、ゴリデンヴェイゼル(ゴールデンバイザー)にベートーヴェンのop.106の録音があるらしく、どこかのレーベルが復刻しないだろうか…。

加えて、より後の世代の奏者で現在録音がそれなりに出回っているにもかかわらず未聴のピアニスト(ゴルノスターエワ、サハロフ、ヨッフェ…etc..)を、あらためて聴いてみたいと思った。

最後に、読んでいて一番笑った箇所は、ソコロフの演奏スタイルを"ギレリスが縫いぐるみを着て戻ってきたよう"と例えたところである。