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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

ボロフスキーの1953年パリ・ライヴ(melo)

念願かなって(あるいは、ネット試聴できないCDなので清水の舞台から飛び降りるつもりで)アレクサンダー・ボロフスキー(1889-1968)を初めて聴いた。

予想だにしていなかったピアニズムが聴こえてきて、思わず笑ってしまった。

ロシアのピアニストで言えば、間違いなくギンスブルクやオボーリンに通じる浅い打鍵を多用する弾き方なのだが、もうひとつの決定的な特色は可能な限りペダルの使用を抑制していることで、特に、浅いペダルを踏んでも良さそうな個所を徹底してノンペダルで弾いている。その結果聴こえてくる音の感覚は、ギーゼキングのそれに酷似している(ただし、ギーゼキングのように速いテンポで弾き飛ばしてしまうような癖は無い)。

そして大変残念なことに、こういう弾き方をする奏者は、モノラル録音で録られると、その魅力が一切取り落とされてしまう。ステレオ録音が残っていないものだろうか。