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メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

ヴィタリー・マルグリスのショパン:葬送ソナタ他(AUROPHON)

この奏者の事を、ユ-ラ・マルグリスのお父さんだというくらいしか知らなかったのだが、先日読んだ領家さんのブログで演奏の素晴らしさに触れられていて、聴いてみようという気になった。

そして、この廉価版CDのショパンを聴いて、完全にひき込まれてしまった。

これはタッチやテクニックがどうこうと言う次元で語られるピアニストではない。間違いなく桁外れの音楽家、ロシア呪術的ピアニズムの継承者だ。同系列の奏者では、少し後の世代のイーゴリ・ジューコフに匹敵するか、上回る。

このピアニストの名前のないロシア・ピアニズムの系譜は、もはや考えられない。

あまり残響の無いスタジオでの録音だが、このクラスの音楽家になると殆ど気にならなず、むしろ良くデジタル録音で演奏を残してくれたと思う。2011年に亡くなられたようだが、この奏者の正規録音が目下ほとんど見当たらないのは、クラシック・レコード業界の歴史的損失だ。