メメント・モリ、あるいはピアノにかんするエトセトラ

私が人生で出会ったもの・考えたこと

ピアノ音楽の源流探索2017~フローベルガー

フローベルガ―(1616-1667)

・楽譜(ISLMP):

http://imslp.org/wiki/Orgel_und_Klavierwerke_(Froberger,_Johann_Jacob)

・音源:Egarrがグローヴレーベルの録音した全集のうちvol.1と2で聴いている。

纏まった曲集として、フェルディナント3世に捧げられた曲集"ウィーン写本"の第2巻と第4巻が非常に良くまとまっていて、全部読んでみたいと思った。

一般的には組曲形式の創始者と言われているが、これらの写本を俯瞰してみると、鍵盤作品において師フレスコバルディが型破りなやり方で発展させた楽曲形式を、各楽曲の様式を厳密に整頓した形でまとめ上げてる印象を受ける。

まずウィーン写本内に12曲あるトッカータは、最初に調の和音で始まるあたりはメルーロの作風に回帰?している感があるが、その後の展開の自在さはフレスコバルディを継承している。全体としてみると師の作品のような即興的な要素が少なく、古典的である(おそらく、ずっと演奏しやすい)。

一方フレスコバルディがカプリッチョで到達した、対位法的に展開された拍の違う複数の曲を接合したような楽曲は、長い音価で書かれた主題のものをファンタジア、より短い音価の主題による曲をカプリッチョとして書いているように読める(一方フレスコバルディのファンタジアは、後年のカプリッチョのための雛型のように感じる)。

リチェルカーレおよびカンツォンは、同じく対位法的に展開されるが単一の曲(フーガに近い)である。長い音価で書かれた、やや晦渋な主題のものが前者、より短い音価による世俗的な主題の曲が後者であろう。